このような方は、ご注意ください。
- 健康診断などで指摘された
- 急に体重が増えている
- 血糖値、血圧、脂質が高い
- 間食が多い
- 朝食をとらないことが多い
- 濃い味や脂っこいものが好き
- 運動をほとんどしない
- 喫煙、飲酒の習慣がある
- 体重減少
糖尿病とは、膵臓から分泌されるインスリンの作用が不十分なために血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が正常範囲を超えて高くなる病気です。糖尿病は4つのタイプに分類され、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他特定の機序・疾患によるものがあります。日本人では2型糖尿病が圧倒的に多く、その発症にはインスリンの分泌不足といった要因に加え、過食、肥満、運動不足、ストレスなどの生活習慣が関係していると言われています。
糖尿病は初期症状が乏しく、目立った症状が現れることなく進行することが多い病気です。口渇(のどが渇く)、多飲(のどが渇くために水分を多く摂る)、多尿(尿の量が増える)、体重減少といった自覚症状が現れたころには、ある程度進行してしまっていることがあります。さらに、病気が進むと三大合併症と呼ばれる糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害を発症して、末期には失明したり、透析治療が必要になることがあります。また、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる病気を引き起こす可能性も高まります。そのため、早いうちから、血糖値をコントロールすることが大切です。
糖尿病の予防、あるいは進行を遅らせるためには、生活習慣を見直すことが大切です。糖尿病の発症を未然に防ぐ1次予防、発症したとしても血糖コントロールを良好に保つ2次予防、さらに合併症の発症を回避する3次予防、これらはすべて生活習慣の改善が重要となります。
血圧とは、心臓から送り出された血液が動脈の内壁を押す力を指します。高血圧症は、この血圧が正常範囲よりも高い状態が続く病態です。動脈の内壁には本来弾力性がありますが、高血圧が続くと血管の壁に圧力がかかり、次第に厚く、硬くなります。これが高血圧による動脈硬化です。
弾力性のある血管では、血圧は基準値内に収まります。しかし、動脈硬化などで血流が悪くなると、心臓は全身に血液を送るためにより強い力を必要とし、その結果、血圧が上がります。この悪循環が常態化するのが高血圧症です。
高血圧には、他の疾患や薬剤の副作用が原因で発生する二次性高血圧と、原因が明確でない本態性高血圧があります。日本人の高血圧症の約90%は本態性高血圧です。本態性高血圧は、遺伝的要因や塩分の摂りすぎ、肥満、過度な飲酒、喫煙、運動不足、精神的なストレスなどが複合的に影響して発症すると考えられています。
高血圧症は自覚症状が乏しく、気づきにくいですが、放置すると動脈硬化を引き起こし、心不全や狭心症、心筋梗塞などの心血管疾患や、脳出血、脳梗塞の原因となります。症状がなくても、放置は禁物です。まずは、定期的に決まった時間に血圧を測定し、自身の血圧を管理しましょう。適度な運動と食生活を中心とした生活習慣の改善が予防と治療に有効です。
脂質異常症とは、血液中の脂質が正常値から外れた状態であり、動脈硬化のリスクを高めます。
脂質異常症は自覚症状がありませんが、知らないうちに動脈硬化が進行し、最終的には脳や心臓の病気を引き起こす可能性があります。主な原因としては、肥満やカロリー過多の食生活、過度な飲酒、喫煙、運動不足などが挙げられます。
治療は、まず食事療法と運動療法から始めます。これらの方法で改善が見られない場合や、動脈硬化のリスクが高い場合には、薬物療法が行われます。脂質異常症の管理は、日常生活の見直しが鍵となります。
高尿酸血症とは、血液中の尿酸が7.0mg/dlを超える状態を指します。高尿酸血症は、痛風や腎結石、尿路結石の原因となるだけでなく、肥満や高血圧、脂質異常症、糖尿病を合併することが多いです。
血液中の尿酸が高い状態が続くと、尿酸の結晶が関節に蓄積し、炎症を引き起こします。これが痛風と呼ばれ、特に足の親指の付け根に発生しやすいです。痛風発作は非常に痛みが強く、歩行が困難になることもあります。
痛風発作は消炎鎮痛剤などの治療で1週間から10日ほどで収まりますが、治療を途中で中断し放置すると、関節炎による結節(コブ)ができることや、腎機能障害、尿路結石のリスクが高まります。尿酸の結晶は、血清尿酸値が6.8mg/dl以上で形成されるため、6.0mg/dl以下に保つことが治療の目標となります。まずは、原因となる生活習慣を見直し、運動や食生活の改善を心がけることが重要です。
生活習慣病について
「生活習慣病」とは、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、痛風、糖尿病など、生活習慣が原因となる疾患の総称です。これらの病気は、食生活の乱れ、運動不足、過度の飲酒や喫煙、睡眠不足、ストレスといった生活習慣が大きく関係しています。生活習慣病により血管にダメージが蓄積すると、動脈硬化が進行し、最終的には心筋梗塞や脳梗塞などの深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。